
「会社にはどんな種類があるの?」
「自分にとって最適な種類の会社を設立したい」
このように、現在会社の種類とその選び方について気になっていませんか?
会社には4つの種類があり、中でも設立されることの多い会社が「株式会社」と「合同会社」の2つです。ただし、どちらの会社形態が向いているのかは人それぞれ異なります。
こちらの記事では4つの会社の違いから、株式会社が向いている人と合同会社が向いている人、そして会社設立のメリット・デメリットについて解説していきます。
こちらの記事を読むことで
- 会社の種類とその違いが分かり、最適な会社形態を選べる
- 会社を設立するメリット・デメリットを知り、今会社を設立すべきか判断できる
ようになります。
ぜひ最後まで読み進めて、自分にとって最適な会社を設立する参考にしてください。

目次
会社の種類は全部で4つ!一覧表でそれぞれの違いを比較
会社の種類は以下の4種類です。
- 株式会社
- 合同会社
- 合資会社
- 合名会社
それぞれの会社の違いを一覧表で確認しましょう。
株式会社 | 合同会社 | 合資会社 | 合名会社 | |
出資者の最低人数 | 1人以上 | 1人以上 | 2人以上 | 2人以上 |
出資者の呼称 | 株主 | 社員 | 社員 | 社員 |
出資者の責任 | 有限責任 | 無限責任 | 無限責任・有限責任 | 無限責任 |
会社の代表者 | 代表取締役 | 代表社員 | 社員総会 | 社員総会 |
意思決定最高機関 | 株主総会 | 社員総会 | 社員総会 | 社員総会 |
業務執行者 (役員) |
取締役 | 業務執行社員 | 業務執行社員 | 業務執行社員 |
役員の任期 | 2年(最大10年) | 任期なし | 任期なし | 任期なし |
業務執行者と 出資者の関係 |
委任契約 | 社員本人 | 社員本人 | 社員本人 |
決算公告の義務 | あり | なし | なし | なし |
出資者の利益配分 | 株式の割合に応じて配分 | 自由 | 自由 | 自由 |
株式(持分)の譲渡 | 自由 | 社員全員の同意が必要 | 無限責任社員の承諾が必要 | 社員の承諾が必要 |
対外的信用 | 高い | 普通 | 低い | 低い |
上場の可否 | 可 | 不可 | 不可 | 不可 |
設立費用 | 約24万円 | 約10万円 | 約10万円 | 約10万円 |
中でも大きな違いが出資者の責任です。株式会社と合同会社は有限責任なのに対し、合資会社と合名会社は無限責任の社員を少なくとも1人はつけることとなっています。
この出資者の責任とは、会社の債務に対する責任のことです。たとえば無限責任の場合、万が一会社の経営が悪化して倒産するとしても出資者はその債務の責任を負わなければいけません。
無限責任は有限責任と比べてリスクが高いため、会社を設立するなら有限責任の株式会社か合同会社を選ぶのが一般的です。
また、4つの会社にはほかにも出資者の呼称や対外的信用など細かな違いがあります。会社設立する際はこれらの違いを把握した上で自分にとって最適なものを選択しましょう。
4種類の会社形態の特徴を詳しく解説!どれを選ぶといい?
ここまで、4つの会社の違いについて一覧表で紹介しました。ここからは、それぞれの会社のメリット・デメリットを含め、具体的な特徴について解説していきます。
上記の比較一覧表をチェックした上で、ぜひ会社選びの参考にしてください。
株式会社
株式会社は最も設立数の多い会社形態です。
株式会社のメリット・デメリットには以下のものがあります。
【メリット】
- 信用度が高い
- 出資者の責任が有限
- 上場できる
【デメリット】
- 会社経営において制限が多い
- 会社の設立費用が高い
株式会社は他の会社形態と比べて信用度が高いため、融資を受けやすく取引先を拡大しやすいといったメリットがあります。また、万が一経営が落ち込んで倒産してしまっても、会社の債務が免除されるため経営に失敗した時のリスクが低いのもメリットです。
一方で、会社経営において制限が多いのが株式会社の大きなデメリットです。
たとえば、取締役など役員の任期は原則2年と短く、会社の意思決定は株主総会で決められるため、社長の自由な経営がしにくいといった欠点があります。
多少の制限があっても、低いリスクで事業を営みたい方には株式会社が向いています。
合同会社
合同会社は株式会社の次に認知度が高くて設立数の多い会社形態です。
合同会社のメリット・デメリットには以下のものがあります。
【メリット】
- 出資者の責任が有限
- 設立費用が安い
- 経営の自由度が高い
【デメリット】
- 信用度が株式会社に劣る
- 上場できない
合同会社は株式会社と同様に有限責任なので、出資者が会社の債務の責任を負うことはありません。また設立費用が安く経営の自由度が高いといったメリットがあります。
利益の配分を出資比率に関係なく社員間で自由に決めることができる上、意思決定をするにも株主総会がないので迅速で柔軟な経営が行いやすいです。
一方で信用度は株式会社に劣り、さらに上場できないといったデメリットがあります。融資を受けたり取引先を開拓したりして、事業を拡大させたいと考えている方には合同会社は不向きと言えます。
合同会社は事業の拡大よりも経営の自由度を優先したい人向けの会社形態です。
合資会社
合資会社は、有限責任社員と無限責任社員の2種類の社員から構成されている会社形態です。
合資会社のメリット・デメリットは主に以下のものがあります。
【メリット】
- 設立費用が安い
- 経営の自由度が高い
【デメリット】
- 出資者の責任が無限
- 設立時に2人以上の人員が必要
- 対外的信用度が低い
合資会社は設立費用が安く、経営の自由度が高いことがメリットです。あまり費用をかけずに法人格を取得することができます。
一方で合資会社のデメリットは、無限責任の社員が必要なことと、会社設立には2人以上の人員が必要なこと、そして対外的信用度が低いことの3つです。
先述したように、無限責任は倒産後も会社の債務を個人で負うことになるため、会社経営におけるリスクが非常に大きいです。
また、合資会社には設立費用が安いなどのメリットがあるものの、そのメリットは合同会社のメリットに代替されてしまいます。対外的な信用度も合同会社に劣るため、合資会社をあえて設立するメリットはないと言えるでしょう。
合名会社
合名会社は、無限責任社員のみで構成されている会社形態です。
合名会社のメリット・デメリットは次の通りです。
【メリット】
- 設立費用が安い
- 経営の自由度が高い
【デメリット】
- 出資者の責任が無限
- 対外的信用度が低い
合名会社のメリット・デメリットは合資会社のものとほとんど変わりません。
設立費用が安いことと経営の自由度が比較的高いことがメリットである一方、無限責任なので経営におけるリスクが高いことがデメリットです。
また、合名会社のメリットも合同会社のメリットに代替されるため、あえて合名会社を設立する必要性はないと言えます。
会社設立するなら株式会社か合同会社が一般的
先でもお伝えしましたが、会社設立するなら株式会社か合同会社が一般的です。
なぜなら株式会社と合同会社は有限責任なので経営のリスクが低く、認知度も合資会社や合名会社と比べて高いためです。
株式会社もしくは合同会社なら、万が一経営がうまくいかなくなって会社が倒産してしまっても、個人が会社の債務を負う責任はありません。また、株式会社と合同会社は対外的な認知度や信用度が比較的高いので、事業を営みやすい点も選ばれる理由です。
合資会社や合名会社は無限責任で認知度も高くないので、わざわざ設立する必要はないでしょう。
では、株式会社と合同会社ではどちらを設立すべきなのでしょうか?
結論を言ってしまえば、事業を大きくしたい人には株式会社が向いていて、経営の自由度を優先したい人には合同会社が向いています。
ここからは、それぞれの理由について深掘りして解説していきます。
株式会社がおすすめなのは事業を大きくしたい方
事業を大きくしたい方には株式会社がおすすめです。
株式会社は他の会社形態の中で最も認知度が高く、対外的な信用度も高いためです。信用度が高ければ金融機関からの融資を受けやすく、取引先の開拓もしやすくなります。
また、株式会社は上場できる唯一の会社形態です。上場して多くの利益を生み出したい方や、将来的には企業を売却したいと考えている方には株式会社が向いています。
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合同会社がおすすめなのは経営の自由度を優先したい方
経営の自由度を優先したい方には合同会社がおすすめです。
合同会社のメリットは、株式会社と比べて設立にかかる費用が安く、会社運営が柔軟に行えることです。株式会社のように会社経営における制限等が少ないので、利益の配分や経営の方針決定も自由に行えます。
認知度や信用度は株式会社に劣るものの、利益や事業拡大を最優先に考えていないのであれば認知度などを重要視する必要はありません。
そのため、許認可事業などでとりあえず法人格を取得したい方や、スモールビジネスを始めたい方には自由度の高い合同会社が向いていると言えます。
会社形態は後から変えられる
会社形態は後から変えることができます。会社形態を変更することを「組織変更」と呼び、会社法743条において組織変更の自由が認められています。
具体的に言えば株式会社から持分会社へ、持分会社から株式会社へ変更することが可能です。持分会社とは、合同会社・合資会社・合名会社の総称です。
合資会社から合同会社への変更など、持分会社間での変更は定款変更であって組織変更ではないので注意しましょう。とはいえ、実質的にはどの会社形態にも自由に変更ができるということです。
会社の成長に伴って会社種類を変更できるので、たとえば、まずは手軽な合同会社を設立し、事業規模を大きくするタイミングで株式会社へ変更するこも可能です。
会社設立の流れは?会社設立するまでの方法と手順を解説
会社設立の流れは次の通りです。
- 会社の基本事項の決定
- 定款の作成
- 定款の認証(株式会社のみ)
- 資本金の払い込み
- 登記申請
まずは、会社名や事業目的など会社の基本事項を決定し、そのあとに「定款(ていかん)」と呼ばれる会社の基本的規則を定めた書類を作成します。
その後、都道府県内の公証役場の公証人から定款の認証を受ける必要があります。なお、定款の認証は株式会社のみなので、合同会社などは定款の認証が不要です。
定款の作成および認証が完了したら、資本金を銀行口座に払い込み、登記申請を行えば会社が設立されます。
会社を設立するまでの方法と具体的な手順については、以下の記事で解説しているので、ぜひ併せてチェックしてみてください。
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会社設立のメリット・デメリット
ここまで、会社の種類とどんな人にどの会社が向いているのかを紹介してきました。
しかし、そもそも会社設立する必要はあるのでしょうか?
会社を設立すれば節税につながるなどのメリットがある一方、費用や事務処理などのコストがかかるといったデメリットがあります。また、人によっては会社設立しない方がいいケースもあるので注意しなければいけません。
ここからは、会社を設立するメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
会社を設立するメリット
会社を設立するメリットは、大きく分けて税制面と信用面の2つです。具体的には以下のようなメリットがあります。
- 所得税などを抑えられる
- 取引先から信用されやすい
- 金融機関から融資を受けやすい
個人事業主は事業利益のほとんどに所得税がかかりますが、法人化すれば事業利益には法人税がかかります。事業の利益が高ければ、所得税率よりも法人税率の方が低くなるため、事業で多くの利益を上げて所得が高い方は、法人化することで節税ができるという仕組みです。
もちろん、個人事業主を挟まずにゼロから会社設立する方も、事業利益が高ければ節税効果があります。
また、法人は個人事業主と比べて信用度が高いこともメリットです。株式会社も合同会社も取引先を開拓しやすく、金融機関からの融資も受けやすいため、新規事業を始めたり事業を拡大したりする場合は会社設立することをおすすめします。
なお、開業時の事業計画を立てるなら、事業計画書の中でも創業時に特化した「創業計画書」の作成がおすすめです。
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会社を設立するデメリット
会社設立する主なデメリットはさまざまなコストがかかることです。具体的には以下のようなデメリットがあります。
- 会社の設立・運用・解散に費用がかかる
- 赤字でも法人住民税が発生する
- 事務処理の負担が増える
- 事業利益が低いと節税にならない
個人事業主は開業時や廃業時に費用がかからないのに対し、法人は設立・運用・解散する際に費用がかかる点がデメリットです。特に、法人住民税は会社が赤字でも納付義務が発生するので注意しなければいけません。
ほかにも、法人は個人事業主と比べて会計処理が厳密に行われるため、会計をはじめとした事務処理の手間が増えるのもデメリットの一つです。
また、会社設立すると節税のメリットがありますが、そもそも事業利益が低いと節税にならないので注意が必要です。会社設立のタイミングによってはメリットよりもデメリットの方が大きく感じる場合もあります。
以下の記事では、会社設立のメリット・デメリット、そして個人事業主が法人化するベストなタイミングについて詳しく紹介しているのでぜひチェックしてみてください。
会社組織における役職の種類と序列
会社を設立するにあたって、会社組織における役職とその序列について理解しておくことは非常に大切です。
一般的な役職とその序列は次の通りです。
役職名 | 主な役割 |
代表取締役 | 株式会社の代表権を有する。 他にも「社長」「代表取締役社長」とする企業もある。 |
専務取締役 | 社長の補佐のような役割。企業運営における責任・権限を有する。 他にも「副社長」や「取締役」「役員」などとする企業もある。 |
業務取締役 | 日常的な業務執行を行う役員。 専務取締役と同様に、「副社長」や「取締役」「役員」などとする企業もある。 |
本部長 | 本部で企業内の下位組織を束ねる管理職。 |
部長 | 本部長の下に属する管理職。各部署の取りまとめ役。 |
次長 | 部長の補佐役。 |
課長 | 課を管理・監督する代表者。組織の中堅幹部。 |
係長 | チームリーダーのような役割。課長の下でチームを取りまとめる。 |
主任 | サブリーダーのような役割。 |
一般社員 | 役職のない社員全般。 |
これらの役職名が使用されるのは株式会社のみで、合同会社などでは「代表取締役」とすることはできません。合同会社の場合は、代表取締役にあたる役職を「代表社員」、取締役にあたる役職を「業務執行社員」とするので注意が必要です。
なお、合同会社における「社員」は従業員という意味ではなく、出資した人のことを指します。
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まとめ:自分にとって最適な種類の会社を設立しよう
会社には以下4つの種類があります。
- 株式会社
- 合同会社
- 合資会社
- 合名会社
中でも会社設立するなら株式会社か合同会社が一般的です。合資会社と合名会社は無限責任な上に、それぞれのメリットも合同会社のメリットに代替されるため、あえて設立するメリットはないでしょう。
また、それぞれの会社には違いがあり、どの会社を選ぶかは人それぞれ会社設立の目的によっても異なります。これから会社を設立する方は、それぞれのメリット・デメリットを比較して自分にとって最適な会社形態を選びましょう。

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