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深刻な人手不足の中、企業経営者の方で「新入社員をできる限り即戦力になるように育てたい。しかし研修にかけるお金の余裕もない」というジレンマに陥っている方も少なくないのではないでしょうか?

そんな方に知っておいていただきたいのが、人材開発助成金です。
人材開発助成金とは、企業が従業員の研修をおこないながら、その研修にかかった費用の一部を国から助成を受けることができる制度です。

当記事では、人材開発助成金はどのような研修と、どんな条件でいくらの補助を受けることができるのか、詳しく解説していきます。

人材開発助成金とは?支給要件や条件をわかりやすく解説

Business meeting in office

人材開発助成金とは、従業員の能力向上のために研修などをおこなうことによって、その費用の一部の給付を受けることができる助成金です。
まずは制度の概要や支給要件について詳しく解説していきます。

人材開発助成金とは

人材開発助成金とは、従業員のキャリア開発をおこなう際に補助を受けることができる助成金です。

従業員のキャリア開発のための研修や訓練にかかる費用の助成を受け取ることによって、企業は従業員に対する研修や訓練をおこないやすくなるというメリットがあります。

参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html

人材開発助成金の支給条件

人材開発助成金には7つのコースがあり、それぞれのコースによって支給条件は異なります。
また、各コース共通の支給条件も存在し、以下の2つの条件を満たす必要があります

  • 雇用保険適用事業所の事業主
  • 訓練の対象者が、訓練開始時から終了時までの間に雇用保険の被保険者であること(障害者職業能力開発コースは除く)

人材開発助成金は、雇用保険適用事業所が雇用保険の被保険者である従業員に対して所定の訓練をおこなった場合に、その訓練費用の一部が助成される制度になっています。

人材開発助成金は対象人材ごと7つのコースに分かれる

Business seminar concept. Class of marketing.

人材開発助成金は対象人材や研修内容によって以下の7つのコースにわかれ、補助内容や条件もコースによって異なります。

  • 特定訓練コース
  • 一般訓練コース
  • 教育訓練休暇付与コース
  • 特別育成訓練コース
  • 建設労働者認定訓練コース
  • 建設労働者技能実習コース
  • 障害者職業能力開発コース

それぞれのコースの内容や、給付の条件などについて詳しく解説していきます。

特定訓練コース

特定訓練コースは以下の訓練が該当します。

  • 職業能力開発促進センター等が実施する在職者訓練(高度職業訓練)
  • 事業分野別指針に定められた事項に関する訓練
  • 専門実践教育訓練または特定一般教育訓練
  • 生産性向上人材育成支援センターが実施する訓練等

これらの訓練を以下の従業員に対して実施した場合には助成の対象となります。

  • 採用5年以内で、 35歳未満の若年労働者への訓練
  • 熟練技能者の指導力強化、技能承継のための訓練、認定職業訓練
  • 海外関連業務に従事する人材育成のための訓練
  • 厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練
  • 直近2年間に継続して正規雇用の経験のない中高年齢新規雇用者等(45歳以上)を対象としたOJT付き訓練

特定訓練コースの受給金額は以下の通りです。

賃金助成
(1人/1時間あたり)
経費助成(%) 実施助成
(1人/1時間あたり)
通常 条件を
満たす
場合
通常 条件を
満たす
場合
通常 条件を
満たす
場合
Off-JT 760円
(380円)
960円
(480円)
45%
(30%)
60%
(45%)
OJT 665円
(380円)
840円
(480円)

なお、()内は中小企業以外の助成額・助成率となります。

一般訓練コース

一般訓練コースは、その他の訓練コース以外の訓練に対して助成されるもので、以下の条件を満たした上で訓練をおこなわなければなりません。

  • Off-JTの訓練
  • 20時間以上の訓練時間
  • セルフ・キャリアドック(定期的なキャリアコンサルティング)の対象時期を就業規則などに規定している事業主

Off-JTとは業務外の研修や訓練のことで、20時間以上の訓練を施し、事業主は定期的なキャリアコンサルティングの具体的な実施時期を就業規則に記しておかなければなりません。

給付金額が以下の通りです。

賃金助成(1人/1時間あたり) 経費助成(%)
通常 条件を
満たす場合
通常 条件を
満たす場合
380円 480円 30% 45%

教育訓練休暇付与コース

教育訓練休暇付与コースは以下の条件を満たした訓練です。

  • 有給教育訓練休暇等制度を導入し、労働者が当該休暇を取得し、訓練を受けた場合に助成
  • 120日以上の長期教育訓練休暇制度を導入し、労働者が当該休暇を取得し、訓練を受けた場合に助成

助成金額は以下の通りです。

賃金助成(1人/1日あたり) 導入助成
通常 条件を
満たす場合
通常 条件を
満たす場合
有給教育訓練
休暇等制度
30万円 36万円
長期教育訓練休暇制度 6,000円 7,200円 20万円 24万円

特別育成訓練コース

特別育成訓練コースとは、有期契約労働者等の人材育成に取り組み正規雇用への転換や処遇の改善をおこなった場合に助成されるコースです。

対象となる訓練は以下の訓練になります。

  1. 一般職業訓練:Off-JTの訓練
  2. 有期実習型訓練:ジョブ・カード活用の上でOff-JTとOJTを組み合わせた3~6か月の職業訓練
  3. 中小企業等担い手育成訓練:業界団体を活用しOff-JTとOJTを組み合わせた上で最大3年の職業訓練

特別育成訓練コースで受け取ることができる助成金の金額は以下の通りです。

賃金助成
(1人/1時間あたり)
経費助成 実施助成
(1人/1時間あたり)
通常 条件を
満たす場合
20時間
以上
100時間未満
100時間以上
200時間未満
200時間以上 通常 条件を
満たす
場合
一般職業訓練
有期実習型訓練
760円
(475円)
960円
(600円)
10万円
(7万円)
20万円
(15万円)
30万円
(20万円)
中長期
キャリア形成訓練
760円
(475円)
960円
(600円)
15万円
(10万円)
30万円
(20万円)
50万円
(30万円)
665円
(380円)
840円
(480円)
中小企業等
担い手育成訓練
760円
(475円)
960円
(600円)
OJT 760円
(665円)
960円
(840円)

 

建設労働者認定訓練コース

建設労働者認定訓練コースとは、認定職業訓練または指導員訓練のうち、建設関連の訓練をおこなった場合に助成を受けることができるものです。

助成の内容は以下のようになっています。

賃金助成(1人/1日あたり) 経費助成
通常 条件を
満たす場合
広域団体認定訓練助成金または
認定訓練助成事業費補助金支給の際に
助成対象経費とされた金額の6分の1
3,800円 4,800円

建設労働者技能実習コース

建設労働者技能実習コースとは、以下の教育訓練をおこなった場合に助成を受けることができるコースです。

  • 安全衛生法に基づく教習及び技能講習や特別教育
  • 能開法に規定する技能検定試験のための事前講習
  • 建設業法施行規則に規定する登録基幹技能者講習など

事業規模に応じて20分の18から3分の2の技能実習経費の補助を受けることができます。
また、賃金助成についても、1人1日、6,650円〜9,600円の補助を受けることができます。

障害者職業能力開発コース

障害者職業能力開発コースとは、障害者の職業能力を開発するための施設の建設や訓練の実施に対して補助を受けることができるものです。

  1. 障害者職業能力開発訓練施設等の設置等
  2. 障害者職業能力開発訓練運営費(人件費、教材費等)

重度身体障害者、重度知的障害者など、就業が特に困難と認められた障害者を対象とした職業訓練をおこなう場合には、1人あたり運営費の5分の4を受け取ることができます。
上記障害者以外の障害者の場合には4分の3、また当該障害者が就職した場合には1人あたり10万円を受け取ることができます。

人材開発支援助成金の支給申請方法

 

Businesswoman's hand with pen completing personal information on a form

では、実際に人材開発助成金の支給を受けるためには、どのような手続きが必要になるのでしょうか?
具体的な手続きとしては以下のステップで申請することになります。

  1. 都道府県労働局へ訓練計画届を提出する
  2. 従業員の対象者に訓練を実施する
  3. 労働局へ支給申請書を提出する
  4. 厚生労働省から助成金を支給される

最初に計画を提出して、実際に従業員に訓練を施し、その後に支給申請をおこなうことによって支給を受けることができます。
それぞれのステップの内容について詳しく見ていきましょう。

都道府県労働局へ訓練計画届を提出する

人材開発助成金の受給を受けたい場合には、当該職業訓練の訓練開始日の2か月前までに「実践型人材養成システム実施計画」を都道府県労働局へ提出し、厚生労働大臣の認定を受けなければなりません。

また、特定訓練コース、一般訓練コース、教育訓練休暇付与コースでは、「職業能力開発推進者」の選任が必要になります。
そのため、社内において適任な「職業能力開発推進者」を選任しましょう。

「訓練実施計画届」「制度導入・適用計画届」その他の必要な書類を作成して、職業訓練開始日の1か月前までに管轄の都道府県労働局の労働局に計画届を提出します。

従業員の対象者に訓練を実施する

労働局に提出した「訓練実施計画届」「制度導入・適用計画届」に則って、従業員に対して職業訓練を実施します。
なお、有期実習型訓練および中小企業等担い手育成訓練に関しては、訓練開始翌日から1か月以内に労働局へ訓練開始届を提出する必要があります。

労働局へ支給申請書を提出する

訓練が終了したら、訓練終了日の翌日から2か月以内に支給申請に必要な書類を事業主が作成して管轄の都道府県労働局に支給申請をおこないます。

厚生労働省から助成金を支給される

支給申請書類に問題がなければ、厚生労働省から人材開発助成金が企業に対して支給されます。

社労士に申請手続きを依頼できる

人材開発助成金はコースが7つも存在し、計画届の作成手続きはコースごと異なるので、手続きが非常に複雑です。
よほど申請手続に慣れた従業員がいない限りは、社内で申請をおこなうのは難しいでしょう。
確実に申請手続きを進めたいのであれば、社会保険労務士に手続きを依頼するのが確実です。

まとめ

いかがでしたか?以下、当記事のまとめです。

  • 従業員のキャリア開発をおこなう際、人材開発助成金を受け取れる可能性がある
  • 人材育成は企業にとって非常に重要な先行投資ですが、大きなコストがかかる
  • 人材開発助成金を利用すれば、人材育成のコストを大幅に軽減できる

面倒な手続きもありますが、資金的な体力に乏しい中小企業にとっては非常に有利な制度です。
人材開発助成金の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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