「創業計画書の書き方は公庫の記入例通りにすればいいの?」

このように、創業計画書の書き方がわからずに困っていませんか?

結論からいえば、公庫の創業計画書を記入例の通りに作成するのはよくありません。そもそも記入例のクオリティが高くないので、同じように書けば創業融資の審査通過は難しいでしょう。

では、創業計画書はどのようにして書けばいいのか。

この記事では、公庫の創業計画書を作成する方へ向けて、記入例を見本にして作成してはいけない理由から、項目別の正しい書き方、そして書類作成前の注意点まで紹介していきます。

創業計画書のひな形は以下のリンクからダウンロードできます。

創業計画書のテンプレート|日本政策金融公庫

公庫が提供する創業計画書の記入例を見本にするのはNG

日本政策金融公庫は創業計画書の記入例を提供しており、たとえば以下のものがあります。

しかし、これら記入例のクオリティは実はあまり高くありません。記入例を見本にして創業計画書を作成しても、審査に落ちて融資を受けられない可能性は十分にあります。

なぜなら、公庫の記入例は非常に簡易的なもので、また計画書のテンプレートも記入欄が小さいためです。本来、事業によって資金繰りや求められるスキル・経験は大きく異なるので、記入例をまねするだけでは事業の魅力を伝えきることが難しくなります。

特に最後の項目の「事業の見通し」は、創業計画書の中でも重要な項目にも関わらず、事業の資金繰りやその根拠を書き切るに枠が小さいため、記入例に書かれているものだけでは情報不足です。

公庫が提供する創業計画書の記入例は参考程度にし、必要に応じて添付資料を作成するなどしてクオリティの高いものを作ることが大切です。

審査に通過しやすい創業計画書の書き方!各項目別に解説

審査に通過しやすい創業計画書の書き方にはコツがあります。

ただ記入例をまねるのではなく、それぞれの項目について、具体的かつ根拠を持って書いて創業計画書のクオリティを上げることが大切です。

ここからは、審査に通過しやすい創業計画書の書き方について、各項目別に詳しく解説していきます。

1.創業の動機の書き方|自身のストーリーを熱く語る

「創業の動機」を書く際に大切なのは、ビジネスにかける想いや使命感を熱く語ることです。

創業動機を熱く語れば、希望者の人間性に好感を持ってもらえますし、担当者にも「応援したい」と思ってもらいやすいです。

もちろん、創業動機を熱く語ったところで審査が有利になる訳ではありません。しかし、担当者に「この事業と創業者を応援したい」と思ってもらえば、融資の審査が降りるよう努めてもらえるはずです。

逆に創業動機から情熱が感じられなければ、担当者は創業者に好感をあまり持てないでしょう。

創業動機を熱く語る時はストーリーが効果的です。なぜこの事業を立ち上げようと思ったのか、自分を動かす根源となる熱い想いはどんなものかなどを書けば、きっと担当者から好感を持たれます。

創業の動機を書く時はストーリーベースで自分の創業にかける熱い想いを意識しましょう。

2.経営者の略歴等の書き方|経験や実績を具体的に書く

「経営者の略歴等」では、ただ職務経歴を書くのではなく、持っているスキルや過去に表彰された実績などを具体的に書きましょう。

創業融資の審査において希望者の経験やスキルの有無が重要視されます。ただ過去に勤めた会社を記載するだけでは、その人の持つスキルがわからないため審査が不利になります。

また同項目の「過去の事業経験」では、経験が浅いからと「事業を経験していたことはない」にチェックを入れるのは避けましょう。仮に新しいビジネスにチャレンジする場合でも、経験がないことを示せば審査を有利に進めることができません。

たとえば、ほとんど未経験で新しくアパレルで開業する場合であっても、学生の頃にアルバイトした経験や、古着を転売した経験などがあればそれを書くことが大切です。

このように経営者の略歴等の項目では、自分の過去の経験から事業を結びつけて小さな経験も積極的に書くようにしましょう。

3.取扱商品・サービスの書き方|セールスポイントが重要

「取扱商品・サービスの項目」では、事業において勝算があることをアピールする部分です。

商品の内容やターゲット、販売戦略などいくつかの記入欄がありますが、中でも重要なのがセールスポイントです。セールスポイントとは要するにその商品を売るための施策のことで、競合に対する勝算をアピールする場となります。

セールスポイントでは競合に対してどのように「差別化」を図るのかを書きます。

たとえば、飲食店を開くなら「SNSで集客してSNSからのネット予約だけで入店できるお店」など、差別化を図って他の飲食店にはない独自のセールスポイントを書くことが大切です。

差別化を図るコツは大手がやりにくい施策を考えることと、顧客の視点に立ったサービスを意識することです。そのセールスポイントで事業に対する勝算が見られれば、ビジネスとして高く評価されて審査を有利に進めることができます。

また差別化をきちんと考えれば、事業を長続きさせやすいので、融資を受ける前にセールスポイントを考えることは非常に大切なことです。

4.取引先・取引関係等の書き方|見込み顧客がいれば高評価

「取引先・取引関係等」では、すでにいる顧客や仕入先、あるいは将来的に考えられる取引相手について記載します。

現段階で取引相手がいない状態でも空白は避けましょう。まだビジネスが開始されていない状態なら、これから営業する予定の企業を記入したり、外注先を書いたりすることが大切です。

中でもすでに見込み顧客がいる場合は高い評価を得られます。見込み顧客がいるということは、融資を受ける前から営業などビジネスを展開する行動を起こしていることになります。

まだビジネスを展開していない状態でも、これから取引する予定の相手を記入することによって担当者を安心させられるので、空白にはならないようにしましょう。

5.従業員の書き方|個人事業主なら記入する必要がない

「従業員」ではすでに雇用している従業員数、あるいはこれから雇用する予定の従業員数を記入します。

事業内容によっても異なりますが、従業員を雇う予定がない場合や、個人事業主の場合は記入する必要はありません。

また、これから従業員を雇用する場合はざっくりとした人数ではなく、業務フローから逆算した正確な人数を記入するようにしましょう。

6.お借入の状況の書き方!個人の借入も漏れなく書く

「お借入の状況」では、事業とは関係ない個人の借入状況も書く必要があります。住宅ローンやマイカーローン、クレジットカードの残高があればそれらを記入しなければいけません。

なぜなら、個人の借入でも事業の利益から返済することになるためです。仮にプライベートで借金があり、事業がうまくいかずに収入が少ない場合、プライベートの返済が優先されて公庫への返済が滞る可能性も考えられます。

また、日本政策金融公庫は個人信用情報機関「CIC」に加盟しており、融資の審査を行う上でCICに登録されている情報もチェックしているので誤魔化しはききません。

CICとは、個人の信用情報を登録・管理している情報機関のことで、公庫のほかに消費者金融や銀行など各金融機関とも提携している団体です。

つまり各金融機関での借入状況を公庫はある程度把握することができるため、公庫の審査で個人の借入を隠すことは難しいです。

そのため事業用の借入と個人の借入は別物と考えるのではなく、きちんと明記しなければいけません。

7.必要な資金と調達方法の書き方|曖昧な金額は避ける

「必要な資金と調達方法」では、事業に必要な資金とその使い道について記入します。

左側の必要な資金は設備資金と運転資金に分けられ、右側の調達の方法は大きく自己資金と借入の2つに分けられ、それぞれ詳しく記入する必要があります。

ここでは、それぞれの資金の違いについて理解しておくことが大切です。たとえば設備資金と運転資金の基準が曖昧で書いてしまうと、面談で担当者と話が噛み合わなかったり、不信感を抱かれたりする可能性があります。

それぞれの資金の違いは以下の通りです。

  • 設備資金
    器具や車両、機械など事業の設備に関わる資金のことです。設備資金に必要な見積書や領収書を整理しておくことが大切です。
  • 運転資金
    商品の仕入れ費用や経費に関わる資金のことです。賃貸物件の礼金や広告費用、ホームページの作成費用などは運転資金に該当します。また事業を開始して収益が発生するまでのつなぎ資金として借りることもできますが、経費の総額と一致していなければ減額される可能性があります。
  • 自己資金
    自分の貯金や家族から受け取ったお金など返済義務のない資金のことです。仮に親族からお金を受け取っている場合は「贈与契約書」と呼ばれる書類を準備する必要があり、その書類がなければ借入と見なされてしまうので注意しましょう。
  • 借入
    借入は、公庫からの借入・知人からの借入・別の金融機関からの借入と3ヶ所に分けられます。親や友人からお金を受け取っていても、返済が必要なら借入に含まれます。

創業融資の申し込み金額は、設備資金と運転資金の合計に自己資金を差し引いた額となります。

8.事業の見通しの書き方|創業計画書の最重要項目

「事業の見通し」は融資審査において非常に重視される部分です。

なぜなら、公庫から受けた融資の返済は事業の利益から行われるためです。きちんと利益が出る計画なのか、計画は理にかなっているのかを徹底的にチェックされます。

事業の見通しを中途半端に書いていたり、公庫の記入例をマネして簡素に書いていたりすると審査を有利に進めることはできないので注意しましょう。

また、事業の見通しの項目には、売上・売上原価・経費・利益の4つがありますが、それぞれその金額に至った根拠も記すことが大切です。

たとえば、飲食業の場合の売上は「客単価×座席数×回転数」の計算式で求められます。この計算式を右枠の根拠欄に記入すれば、売上を算出した根拠がわかり、計画性を高く評価されます。

このように、事業の見通しの項目では創業者の資金繰りに関わる計画性を問われるので、中途半端に書くのではなく、時間をかけてでも根拠のある事業の見通しを作成しましょう。

創業計画書の書き方の基礎!書き始める前の2つの注意点

ここまで、審査に通過しやすい創業計画書の書き方を項目別に解説してきました。しかし、どれだけ正しい書き方知っても、そもそも事業が成立しなければクオリティの高い創業計画書は作成できません。

また、創業計画書を綿密に作成しても、事業の内容によっては計画性が低いと判断される可能性があります。

そこでここからは、創業計画書の作成前に知っておきたい2つの注意点について紹介していきます。

本当に事業は成り立つ?ビジネスフローを見直す

創業計画書を作成する前に、そもそも本当に事業は成り立つのかを考えなければいけません。

突発的に浮かんだアイデアや、過去の経験だけでビジネスをはじめようとすると、クオリティの高い創業計画書を作成できません。また、仮に創業計画書をうまく作成できたとしても、事業の実現性が低くて審査に落とされる可能性も十分にあります。

事業が成り立つか考えるときは、以下5つの経営課題についてスラスラと根拠を持って説明できるかで判断することができます。

  1. 事業の流れを具体的な内容まで説明できるか
  2. 市場の中でもどういったターゲットを攻めるか
  3. 市場の中で差別化を図るポイントはどこか
  4. 売上・経費・利益は予測できているか、根拠はあるか
  5. 資金の使い道と調達方法、借入の返済財源は明確か

まずは創業計画書を作成する前に、これらのポイントを意識して事業を見つめ直してみましょう。

公庫の創業計画書だけでは不十分!添付資料を作成する

冒頭でもお伝えしましたが、公庫の創業計画書は記入欄が小さいため、事業の魅力や事業が成り立つ根拠を伝え切るのは非常に困難です。そのためそれぞれの項目で必要に応じて添付資料の作成を行いましょう。

添付資料が必要な項目と主な資料には、たとえば以下のものがあります。

  • 創業の動機:市場が拡大していることを示す資料など
  • 取扱商品・サービス:商品の写真やサービスのイメージ図など
  • 事業の見通し:資金繰りの計画表など

創業計画書だけでは伝わらない内容や、書ききれない情報は添付資料でカバーすることが可能です。また、添付資料を作成すれば書類のクオリティが上がるだけでなく、その手間が担当者に高く評価してもらえます。

基本的に創業計画書の作成では、添付資料も作成することを前提として考えておきましょう。

また、以下の記事では新創業融資制度の審査を有利に進めるポイントを細かく解説しています。これから公庫の新創業融資制度の申し込みを予定している方はぜひ参考にしてください。

創業計画書を正しく書けば経営力も身につく

創業計画書を正しく書けば審査を有利に進められるだけでなく、経営力も身につく効果があります。

創業計画書には、事業に関わるあらゆる情報を記入しなければいけません。そしてそのためには市場分析を行ったり、資金繰りを徹底的に計算・シミュレーションしたりなど、多くの労力を必要とします。

はじめは創業計画書を作成する目的で行ったことでも、市場分析や資金の計算を繰り返すうちにいつの間にかそれが経営力を養っているのです。

また、正しく創業計画書が書けていれば、ビジネスを進めていく上で事業の欠点に気付きやすくなり、早い段階で事業の方向修正ができるようになります。

ただ公庫の記入例をまねただけの創業計画書では、こういった力は身につかないでしょう。経営力を身につけるためにも創業計画書を正しく書くことは非常に大切です。

まとめ:創業計画書は正しい書き方で作成しよう

創業計画書の書き方にはコツがあり、ただ公庫の記入例を見本にしただけでは、審査を有利に進めることはできません。

創業計画書は、各項目ごとに具体的な情報と根拠を含め、担当者に事業の実現性を納得してもらうことが大切です。

こちらの記事では項目ごとに正しい書き方を詳しく解説しているので、創業計画書を作成する際の参考にして、ぜひ創業融資を成功させてください。

1社あたり平均融資金額1,000万円以上
年間対応件数600社以上
審査通過率99%の豊富な実績
KIKが創業期の融資をサポート

着手金なし

完全成果報酬型なので、費用が発生するのは融資成功時のみです

公認会計士が対応

融資に特化した会計士が対応しています

手間なし

書類作成も、金融機関とのやりとりもKIKが代行します

全融資制度取扱い

日本政策金融公庫、民間銀行などが取扱うすべての融資制度に対応が可能です

まずは無料で相談する

創業融資サポートの詳細はこちら

050-1705-5776

おすすめの記事