日本政策金融公庫からお金を借りる場合には、金利が発生し利息を支払わなければなりません。

銀行借入の金利は企業の業績などに応じて決定する格付けをベースに決定します。

しかし、日本政策金融公庫の金利はどのようにして決定するのかご存知ない方も多いのではないでしょうか?

本記事では日本政策金融公庫の金利の決まり方について解説します。

日本政策金融公庫の貸付は申し込むローンの種類を検討するなどするだけで、低金利の借入をすることはそれほど難しくありません。

日本政策金融公庫の金利の決定方法を理解し、できる限り低いコストで公庫から資金調達するようにしましょう。

日本政策金融公庫の金利の決まり方


日本政策金融公庫の金利の決まり方は商品ごとに決まっており、基本的には銀行融資に劣らない低い金利で融資を受けることができます。

また、銀行のように、業績のよい企業には低金利、業績の悪い企業には高金利というように、企業に応じて金利が決定するということも基本的にありません。

地方公共団体が行う制度資金と同じようなイメージで、融資商品の申込条件に該当すれば商品に見合った金利が適用される仕組みとなっています。

まずは、日本政策金融公庫の融資商品の金利の決まり方について詳しく解説していきます。

利率は商品ごとに決まっている

日本政策金融公庫の融資では、利率は商品ごとに決まっています。

日本政策金融公庫には以下のような融資商品があります。

  • 普通貸付
  • セーフティネット貸付
  • 新企業育成貸付
  • 新型コロナウイルス対策貸付

これら以外にも多数の商品が日本政策金融公庫にはありますが、それぞれの商品に応じて金利があらかじめ決まっています。

そのため、借入の前に「この資金を借りたら何%の金利が適用されて、利息はいくらになる」ということを知ることができます。

事前に資金調達コストがいくらになるのかを知ることができるのは日本政策金融公庫の融資の大きなメリットの1つだと言えるでしょう。

新創業融資制度の金利

例えば新創業融資制度の金利はどのようになっているのか詳しく見てみましょう。

日本政策金融公庫は「これから創業しよう」という人に対して新創業融資制度という制度によって創業資金の融資を行なっています

新創業融資制度は、創業に至った経緯に応じて金利が以下のように決まっています。

特別利率A

対象者 適用金利
  • 地域おこし協力隊の任期を終了した方であって、地域おこし協力隊として活動した地域において新たに事業を始める方
  • Uターン等により地方で新たに事業を始める方
  • 産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援等事業を受けて新たに事業を始める方
  • 地域創業促進支援事業又は潜在的創業者掘り起こし事業の認定創業スクールによる支援を受けて新たに事業を始める方
  • 外国人起業活動促進事業における特定外国人起業家の方で新たに事業を始める方
  • 独立行政法人中小企業基盤整備機構が出資する投資事業有限責任組合から出資(転換社債、新株引受権付社債、新株予約権および新株予約権付社債等を含む。)を受けた方
特別利率A
  • 地方創生推進交付金を活用した起業支援金の交付決定を受けて新たに事業を始める方
  • 技術・ノウハウ等に新規性がみられる方
特別利率B
  • 地方創生推進交付金を活用した起業支援金及び移住支援金の両方の交付決定を受けて新たに事業を始める方
特別利率C

参考:日本政策金融公庫|新規開業資金

日本政策金融公庫の特別利率は以下のようになっています。

基準利率 特別利率A 特別利率B 特別利率C 特別利率D
2.46~2.85 2.06~2.45 1.81~2.20 1.56~1.95 1.81~2.20
特別利率E 特別利率J 特別利率P 特別利率Q
1.06~1.45 1.41~1.80 2.26~2.45 2.06~2.45

例えば、上記1~6に該当する人は2.06~2.45%の金利が適用されます。

このように、創業資金においても自分がどのカテゴリーの属するかを事前に把握しておくことで、適用される金利を知ることができます。

日本政策金融公庫の融資は他の制度においても、このようにあらかじめ金利が決められています。

日本政策金融公庫の金利は総じてそれほど高くない

金利があらかじめ決められている日本政策金融公庫の融資制度ですが、基本的には利率はそれほど高くないという点が特徴です。

詳しくは後述しますが、何も優遇のない基準利率においても上限利率は2.85%(新創業融資制度)となっており、現在の金利水準では3%を超える金利が適用されることはほとんどありません。

日本政策金融公庫の融資の原資は税金であり、日本政策金融公庫の融資は中小事業者が事業の継続や発展をするための融資を行い、地域経済を活性化させるためのものであるため、営利目的で融資を行なっているわけではないためです。

日本政策金融公庫の融資は中小事業者が事業資金融資を受けるのであればトップクラスに低い金利で借りることができるという点を、まずは大前提として理解しておきましょう。

日本政策金融公庫の金利を下げるポイント?担保と保証人に注目


日本政策金融公庫からできる限り低い金利でお金を借りるためには以下の2つのポイントを押さえることが重要です。

  • 担保と連帯保証人
  • 特利が適用になる制度を利用する

担保や連帯保証人をつけるというどの金融機関においても金利を下げるための重要なファクターになることに加え、「どの融資制度を利用するのか」ということも低金利融資を受けるにあたって重要になります。

日本政策金融公庫においてできる限り低金利融資を受けるためのポイントを詳しく解説していきます。

担保と連帯保証人

これはどのような融資でも同じですが、経営者の個人保証や、担保があった方が日本政策金融公庫からの信用が向上し低金利が適用されます

日本政策金融公庫では実際に担保があるかないかによって適用される金利は以下のように異なります。

  • 担保を不要とする融資の金利(特別利率N、R、Uは省略)
基準利率 特別利率A 特別利率B 特別利率C 特別利率D
2.16~2.55 1.76~2.15 1.51~1.90 1.26~1.65 1.51~1.90
特別利率E 特別利率J 特別利率P 特別利率Q
0.76~1.15 1.11~1.50 1.96~2.15 1.76~2.15
  • 担保を必要とする融資の金利(特別利率N、R、Uは省略)
基準利率 特別利率A 特別利率B 特別利率C 特別利率D
1.21~2.20 0.81~1.80 0.56~1.55 0.31~1.30 0.56~1.55
特別利率E 特別利率J 特別利率P 特別利率Q
0.30~0.80 0.30~1.15 1.01~1.80 0.81~1.80

このように、担保があった方が日本政策金融公庫からの信頼が向上し、低金利が適用されます。

これは、民間の金融機関でも同じで担保や保証人があることによって金融機関側の信頼が向上し低金利が適用されます。

最近では、売掛債権や在庫商品などの流動資産を担保として低金利融資を受ける方法もあるので、頭には入れておくようにしましょう。

特利が適用になる制度を利用する

日本政策金融公庫には、基準利率と特別利率という2つの利率があります。

このうち、「特別利率」が適用されると金利は低くなります。

特別利率が適用される融資は「新規性」もしくは「災害性」のいずれかに該当する場合です。

日本政策金融公庫では創業資金と災害関連資金は別枠で以下のような金利帯を設けています。

  • 新創業融資の金利
基準利率 特別利率A 特別利率B 特別利率C 特別利率D
2.46~2.85 2.06~2.45 1.81~2.20 1.56~1.95 1.81~2.20
特別利率E 特別利率J 特別利率P 特別利率Q
1.06~1.45 1.41~1.80 2.26~2.45 2.06~2.45
  • 災害貸付、東日本大震災復興特別貸付
基準利率 特別利率A 特別利率B 特別利率C 特別利率D
1.36~1.75 0.96~1.35 0.71~1.10 0.46~0.85 0.71~1.10
特別利率E 特別利率J 特別利率P 特別利率Q
0.10~0.35 0.31~0.70 1.16~1.35 0.96~1.35

新規創業の際に必要な資金を借りる場合や、災害の際に必要な資金を借りる場合などは特別利率が適用される可能性があります。

特利が適用されるかどうかということを事前に確認して申し込みを行うことで、日本政策金融公庫から低金利で融資を受けることができる可能性があるでしょう。

格付などで金利はそれほど異ならない

先ほど述べたように、日本政策金融公庫の金利は企業の格付けなどで変わることはありません。

格付けは企業の決算書から金融機関が判定するもので、格付けが低い企業は高い金利が適用されることになります。

そのため、赤字決算や債務超過の会社は格付が低くなり、結果として適用される金利が高くなってしまいます。

銀行から事業資金を借りる場合などは、格付を基に適用金利が決定するのが一般的です。

しかし、日本政策金融公庫の融資は融資制度に応じて決定するので業績が悪い企業でも低金利で融資を受けることができる可能性があります。

日本政策金融の融資の金利は、銀行とは異なり業況によって左右されることはないと言えるでしょう。

日本政策金融公庫の2つの金利種類とは


日本政策金融公庫の融資制度の商品概要を確認すると「基準利率」と「特別利率」という2つの金利についての文言を確認することができます。

普通利率と特別利率は全く異なる金利帯になります。

2020年6月現在の日本政策金融公庫の普通利率と特別利率の金利の違いとどのような条件で適用されるのか、詳しく解説していきます。

基準利率

基準利率とは融資商品の金利の基礎となる金利です。

何も金利優遇がない金利と言えるでしょう。

日本政策金融は商品ごとに基準利率が決められており、金利優遇の条件を満たすことができない場合には基準利率をもとに適用される金利が決定することになります。

特別利率

特別利率とは、基準金利よりも優遇された金利を指します。

日本政策金融公庫の融資で特別利率が適用される条件は融資制度に応じて多岐にわたり、例えば以下のような上限で特別利率が適用されます。

  • 担保の有無
  • 売上の減少
  • 借りたお金の使い道
  • 事業規模

などです。

先ほど述べたように、日本政策金融公庫から低金利で融資を受けるポイントの1つが特別利率が適用されるかどうかです。

基準利率よりも特別利率の方が間違いなく金利的なメリットが大きくなります。

特別利率が適用される融資商品を選択するようにしましょう。

日本政策金融公庫の融資制度の金利条件は?


では、日本政策金融公庫の代表的な融資制度では、普通利率が適用されるのか特別利率が適用されるのか、代表的な融資制度ごとにいずれが適用されるのか詳しく見ていきましょう。

  • 普通貸付
  • セーフティネット貸付
  • 新企業育成貸付
  • 新型コロナウイルス対策貸付

日本政策金融公庫の代表的な融資制度4つの金利の種類や融資条件について詳しく解説していきます。

普通貸付

普通貸付はその名の通り、通常の融資商品です。

特に借入をするための条件はなく、借主側が「お金を借りたい」と希望し、日本政策金融公庫の審査に通過すれば融資を受けることができます。

融資条件は以下の通りです。

融資対象者 ほとんどの業種の中小企業の方
融資限度額 運転資金:4,800万円
設備資金:7,200万円
返済期間 運転資金:5年以内
設備資金:10年以内
金利 基準金利(2.16~2.55%)

このように、普通貸付は融資を受けるために条件がないため、審査にさえ通過できればどんな企業でも借入をすることが可能です。

その代わり、金利も特に優遇されたものはなく、基準利率しか適用されることはありません。

セーフティネット貸付

セーフティネット貸付とは、売上や収益が一定程度減少した事業者に対してのみ融資をする制度です。

セーフティネット貸付のうち経営環境変化対応資金の主な融資条件は以下の通りです。

融資対象者 一時的に業況の悪化を来している中小企業の方
融資限度額 4,800万円
返済期間 運転資金:8年以内
設備資金:15年以内
金利 基準金利(2.16~2.55%)

セーフティネット貸付は、売上の減少に対してセーフティネットになるよう資金的な手当を行うものです。

普通貸付と同じ金利ですが、返済期間に余裕があります。

新企業育成貸付

日本政策金融公庫は創業前や創業間も無くの企業に対して、「新企業育成貸付」という形で資金的な手当を行なっています。

創業前や創業間も無くの業況が不安定な企業に対して融資を行うものであるため、利息負担軽減の目的もあり、創業関連資金は低金利の設定となっています。

融資対象者 「雇用の創出を伴う事業を始める方」、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」、「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方」又は「民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方」等の一定の要件に該当する方
融資限度額 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間 運転資金:7年以内
設備資金:29年以内
金利  前述の通り、特別利率A、B、C

新型コロナウイルス感染症特別貸付

政府の経済対策の一環として行っている新型コロナウイルス感染症特別貸付は非常に低金利もしくは無担保で融資を行なっています。

コロナ関連の資金は、前述した「災害」に該当するような資金となっているため、民間金融機関と比較しても遥かに低い金利で借りることができます。

まずは、金利ありの融資の内容は以下の通りです。

融資対象者 新型コロナウイルス感染症の影響を受けて一時的な業況悪化を来し、次のいずれかの要件に該
当する方であって、中長期的に業況が回復し発展が見込まれる方
(1)最近1ヵ月の売上高が、前年または前々年の同期と比較して、5%以上減少
(2)業歴が3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合等は、最近1ヵ月の売上高が、次のいずれかと比
較して、5%以上減少
① 過去3ヵ月(最近1ヵ月含む。)の平均売上高
② 令和元年 12 月の売上高
③ 令和元年 10~12 月の平均売上高
融資限度額 6,000万円(別枠)
返済期間 運転資金:15年以内
設備資金:20年以内
金利 災害貸付の基準金利(1.35%~1.75%)
ただし、3,000万円を限度として融資後3年目までは基準利率-0.9%

金利が優遇された災害貸付の基準金利から3年間は0.9%の金利優遇を受けることができるので、0.45%~0.85%という非常に低金利で融資を受けることができます。

また以下の条件を満たした場合には無利息が適用されます。

  • 個人事業主の小規模事業者:無条件
  • 法人の小規模事業者:売上高▲15%以上
  • 中小企業者:売上高▲20%以上

無利息融資では、1度利息を日本政策金融公庫へ支払い、その後、国から利息が還付される仕組みになっています。

最初から金利ゼロで借りることができるわけではないという点に注意しましょう。

なお、コロナ関連の資金について知りたい方は以下の記事をご覧ください。

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まとめ

日本政策金融公庫の金利について以下の3つがポイントになります。

  • 資金によって金利が決まる
  • 担保や保証人があると金利が低くなる
  • 特別利率が適用される商品は金利が下がる

業況によって金利が左右されることがなく、商品によって金利が決まるというのが特徴です。

特別利率が適用される有利な条件のローンに申し込み、出来る限り低金利で融資を受けるようにしましょう。

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