「中小企業経営力強化資金ってどんな融資制度なの?」
「中小企業経営力強化資金のメリット・デメリットが知りたい」

このように、中小企業経営力強化資金について気になっていませんか?

結論から言えば、中小企業経営力強化資金は低金利かつ無担保・無保証人で借り入れでき、また創業時にも利用できる優れた融資制度です。

この記事では、中小企業経営力強化資金の利用条件からメリット・デメリット、融資の流れ、さらに新創業融資制度との違いまで紹介しています。

この記事を読むことで、

  • 中小企業経営力強化資金のメリット・デメリットが分かり、融資を受けた後の未来を想像できる
  • 新創業融資制度との違いを知り、融資を受けるにあたって適切な判断ができる

ようになります。ぜひ最後まで読み進めていってください。

中小企業経営力強化資金の利用条件

中小企業経営力強化資金の利用条件

中小企業経営力強化資金は日本政策金融公庫が提供する融資制度の一つです。

中小企業経営力強化資金の利用条件は次の通りです。

対象者 次の(1)もしくは(2)に該当する者
(1)次の全てを満たす者
・市場の創出や開拓を行おうとする人
・認定経営革新等支援機関による指導や助言を受けている人
(2)次の全てを満たす者
・「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を適用している、またはその予定がある人事
・業計画書を策定する人
資金使途 設備資金・運転資金
融資限度額 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済機関 ・設備資金が20年以内
・運転資金が7年以内
利率 2.16%〜2.45%(令和2年4月現在)
担保・保証人 基本的に不要

対象者の「中小企業の会計に関する基本事項」および「中小企業の会計に関する指針」とは、中小企業の実態を考えて中小企業庁によって作成された会計ルールです。

対象者がやや分かりにくいですが、中小企業経営力強化資金は基本的にほとんどの中小企業が対象となります。

また、低金利で無担保・無保証人で受けられることが特徴で、中小企業が資金調達を行うなら検討すべき融資制度の一つと言えます。

中小企業経営力強化資金の3つのメリット

中小企業経営力強化資金の3つのメリット

中小企業経営力強化資金のメリットは以下の3つです。

  • 低金利で担保・保証人が不要と融資の条件が良い
  • 創業時から利用できる
  • 自己資金の要件がない

中小企業経営力強化資金は基本的に好条件で融資を受けられるだけでなく、自己資金の要件がないなど、申し込みのハードルが比較的低いことが大きなメリットです。

ここからは、それぞれのメリットについて解説していきます。

低金利で担保・保証人が不要と融資の条件が良い

中小企業経営力強化資金は低金利で、なおかつ無担保・無保証人で融資が受けられるというメリットがあります。

具体的な金利は2.16%〜2.45%(令和2年4月現在)で、一般的な銀行融資と比較すると低い水準となっています。たとえば三菱UFJ銀行のビジネスローン「融活力」の金利は年2.35%〜9.0%です。

融活力の最低金利は中小企業経営力強化資金の金利と同水準であるものの、銀行の融資を最低金利で受けるのは非常に困難です。そのため中小企業経営力強化資金の金利は比較的低いことがわかります。

また、担保・保証人が不要で融資を受けられるため、万が一会社が倒産した場合に返済義務がなくなります。経営者が保証人となる融資の場合、倒産後も返済義務が残るため、その点中小企業経営力強化資金は低いリスクで受けられる融資制度と言えるでしょう。

以下の記事では、日本政策金融公庫の金利の下げ方について解説しているので、中小企業経営力強化資金の金利をさらに下げたい方はぜひ参考にしてくだい。

創業時から利用できる

中小企業経営力強化資金は創業時から利用できるのもメリットの一つです。

一般的な金融機関で事業融資を申し込む際は、2期分の決算書の提出を求められることがほとんどです。まだ創業して間もない企業は、銀行などの金融機関から融資を受けることは簡単ではありません。

その一方で、中小企業経営力強化資金は創業間もない企業も融資の対象となっています。特に創業時で融資を受けたい企業にとっては中小企業経営力強化資金を受けるメリットは大きいと言えるでしょう。

もちろん、創業時でなくても中小企業経営力強化資金を受けることはできます。

自己資金の要件がない

中小企業経営力強化資金は自己資金の要件がないというメリットがあります。

日本政策金融公庫をはじめ、金融機関で融資を受ける際は自己資金を求められることがほとんどです。少なくとも必要資金のうち10%〜30%の自己資金がなければ、審査に落とされる可能性が高いです。

たとえば、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」では、創業に必要な資金総額の10分の1以上が自己資金の要件となっています。

そのため創業時の企業をはじめ自己資金が少ない事業者にとって、自己資金を必要としない中小企業経営力強化資金はメリットが大きいと言えるでしょう。

ただし、自己資金はあればあるほど審査に有利になるため、中小企業経営力強化資金を受ける際にも自己資金をできる限り多く準備しておくことが大切です。

中小企業経営力強化資金の3つのデメリット

中小企業経営力強化資金の3つのデメリット

一方で、中小企業経営力強化資金には以下3つのデメリットがあります。

  • 認定支援機関によるサポートが必要
  • 2年間は報告書を提出する義務がある
  • 一部のフランチャイズは受けられない

中小企業経営力強化資金は基本的に認定支援機関を利用する必要があり、また2年間は報告書を公庫へ提出しなければいけません。そのため、ほかの融資と比べると経営の自由度が下がってしまうというデメリットが目立ちます。

ここからは、それぞれのデメリットについて詳しく見ていきます。

認定支援機関によるサポートが必要

この融資を受けるには認定支援機関によるサポートが必要なので注意しなければいけません。

認定支援機関とは中小企業に対して財務面のアドバイス・支援を行う機関で、「経営革新等支援機関」とも呼ばれています。中小企業経営力強化資金を申し込むためには、この認定支援機関のサポートを受けていることが要件の一つです。

通常、公庫の他の融資を受ける場合、申し込み自体は赤字の事業者でも事業計画が曖昧な事業者でも可能です。

しかし、中小企業経営力強化資金は認定支援機関を利用するため、申し込み前に資金繰りや事業計画の見直しが必要になります。そのため中小企業経営力強化資金は他の融資制度と比べて申し込みのハードルがやや高くなることがデメリットです。

さらに認定支援機関の利用は無料ではありません。認定支援機関からサポートを受ければ中小企業経営力強化資金を受けられるものの、そのサポートには費用がかかるのであらかじめ把握しておく必要があります。

なお、認定支援機関については中小企業庁のホームページから検索することができます。

参考:認定経営革新等支援機関 検索システム|中小企業庁

2年間は報告書を公庫へ提出する義務がある

この融資を受けてから2年間は、事業の進捗状況を記した報告書を日本政策金融公庫へ年1回以上提出しなければいけません。

報告書の内容は主に、中小企業経営力強化資金の申し込み時に作成した事業計画書に沿って経営を行えているかどうかです。

事業計画の目標が達成されていないことでペナルティを受けるわけではありませんが、報告書を作成する手間がかかるのと、経営の自由度が下がってしまう点がデメリットと言えます。

また、報告書の提出を年に1度も行わなかった場合、繰上償還される可能性があるため注意が必要です。

原則フランチャイズは受けられない

フランチャイズの事業を行う目的では、中小企業経営力強化資金を利用できないので注意しなければいけません。

中小企業経営力強化資金の利用対象者は「市場の創出・開拓を行おうとする人」です。フランチャイズはすでにある事業に参画する形になるため、利用対象から外れてしまいます。

中小企業経営力強化資金の審査の流れ

中小企業経営力強化資金の面談

中小企業経営力強化資金の審査の流れは次の通りです。

  1. 認定支援機関に融資の相談
  2. 必要書類の作成・準備
  3. 申し込み
  4. 面談
  5. 審査
  6. 審査結果の通知

中小企業経営力強化資金を利用するためには、認定支援機関の利用が必要です。その他の融資制度とは審査の流れが異なるので注意しましょう。

ここからはそれぞれの流れについて細かく解説していきます。

1.認定支援機関に融資の相談

まずは認定支援機関に、中小企業経営力強化資金の融資を受けたいと相談しましょう。

なお、顧問税理士が認定支援機関の場合は、その顧問税理士を利用することもできます。

2.必要書類の作成・準備

認定支援機関へ融資の相談を行ったら、次は必要書類の作成を行います。

中小企業経営力強化資金の申し込み時に作成する必要がある書類は主に以下の3つです。

  • 借入申込書
  • 創業計画書
  • 事業計画書

ほかにも、資金繰り表など添付資料を用意すると審査を有利に進められるようになるので、添付資料はできる限り準備しましょう。

また、それぞれの必要書類の詳しい書き方を後述しているので、ぜひ最後まで読み進めていってください。

3.申し込み

必要書類の作成・準備が終わったら、日本政策金融公庫へ申し込みを行います。申し込みは郵送でできるので、公庫の窓口へ直接行く必要はありません。

4.面談

中小企業経営力強化資金の審査の流れ

申し込みが完了したら、公庫の担当者と日程を調整して面談を行います。

面談にかかる時間は担当者によっても異なりますが、およそ30分から1時間程度です。場合によっては認定支援機関の税理士を同席させることも可能なので、同席を希望する方は公庫の担当者へ一度相談してみましょう。

以下の記事では、日本政策金融公庫の面談で聞かれる内容から面談で注意すべきことについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

5.審査

面談が終わったら、中小企業経営力強化資金の審査が行われます。審査では担当者が実際に事務所など現地物件に訪れて調査を行われることもあります。

審査にかかる期間はおよそ2週間前後です。

ただし、時期や申し込み内容などによっては1ヶ月かかることもあります。

また、以下の記事では日本政策金融公庫の審査期間や審査が遅くなる理由について詳しく解説しているので、ぜひ併せてチェックしてみてください。

6.審査結果の通知

審査が終わり次第、審査結果の通知が郵送で行われます。

審査結果の通知は融資可否に関わらず必ず行われ、審査に通過した場合は契約書にサインして返送し、契約締結してから3営業日程度で着金となります。

中小企業経営力強化資金の必要書類とその書き方

中小企業経営力強化資金の必要よ書類とその書き方

中小企業経営力強化資金の必要書類は次の通りです。

  • 借入申込書
  • 事業計画書
  • 創業計画書(創業時のみ)
  • 設備資金の見積書(設備資金が必要な場合)
  • 履歴事項全部証明書または登記簿謄本

実は中小企業経営力強化資金の必要書類は特に定められていません。申込者によって必要となる書類が異なります。

ここからは、中小企業経営力強化資金の申し込み時、特に必要と考えられる3つの書類の書き方について解説していきます。

借入申込書の書き方

借入申込書を作成するにあたって特別注意すべき点はありません。ひな形の書式に従って住所や本人の署名・捺印を行います。

ただし、借入申込書には申込金額や借入希望日、資金の使い道等を記載する項目があるので、後に作成する事業計画書などと相違のないようにしましょう。

中小企業経営力強化資金の借入申込書ひな形は以下のリンクからダウンロードできます。

借入申込書|日本政策金融公庫

事業計画書の書き方

中小企業経営力強化資金の申し込みにあたって、事業計画書を作成する必要があります。

事業計画書を作成する上で大切なのは事業の詳細を書き込むことです。

ひな形の書式に沿って書くだけでなく、事業にかける思いや熱意を伝えることも重要です。逆に事業計画書があまり書き込まれておらずに、事業への思いを伝えられなければ、審査を有利に進めることはできないでしょう。

以下の記事では、事業計画書の書き方について詳しく解説しているので、これから事業計画書を作成する方はぜひ参考にしてください。

また、事業計画書の作成について不安な場合は、認定支援機関のアドバイスを受けながら作成することもオススメです。

創業計画書の書き方

創業計画書の書き方で大切なのは、事業計画書と同様に、自社の事業内容や資金繰りについて細かく書き込むことです。

日本政策金融公庫は創業計画書の記入例を公開していますが、正直なところあまりクオリティは高くありません。創業計画書の書式に従って書かれてあるだけで、必要な資金や資金繰りについての書き込みがやや甘めです。

そのため、見本に見習って創業計画書を作成するのではなく、自社の事業を最大限にアピールできるように書くことが大切です。

以下の記事では、創業計画書の書き方について詳しく解説しているので、これから創業計画書の作成をする方はぜひ参考にしてください。

新創業融資制度と比較!創業融資に適しているのはどっち?

中小企業経営力強化資金と新創業融資制度を比較

中小企業経営力強化資金は創業時にも利用できると説明しましたが、日本政策金融公庫には別で「新創業融資制度」と呼ばれる、創業向けの融資制度があります。

では、中小企業経営力強化資金と新創業融資制度にはどのような違いがあるのでしょうか?

中小企業経営力強化資金と新創業融資制度の違いは次の通りです。

中小企業経営力強化資金 新創業融資制度
担保・保証人 不要 不要
金利 2.16%〜2.45% 2.46%〜2.75%
借入限度額 7,200万円 3,000万円
自己資金要件 なし 10分の1以上
その他融資条件 報告書の提出義務 特になし

結論から言えば、中小企業経営力強化資金と新創業融資制度とで、どちらが優れているというものはありません。

利用条件だけで見れば、自己資金要件がなく金利が低い中小企業経営力強化資の方がメリットは大きいです。しかし、中小企業経営力強化資金には報告書の提出義務といった経営の自由度が下がるデメリットがあります。

なお、以下の記事では新創業融資制度について詳しく解説しているので、併せてチェックしてみてください。

ここからは、それぞれの融資制度の大きな違いについて詳しく紹介していきます。

中小企業経営力強化資金は借入条件がいい

中小企業経営力強化資金は、新創業融資制度と比べて借入条件が良いことが大きなメリットです。

上記の表で紹介したように、中小企業経営力強化資金の方が低金利で高額な融資を受けられる上に自己資金の要件もありません。

特に、創業時は事業資金に余裕がないことが多いので、創業者にとって中小企業経営力強化資金を受けるメリットは大きいと言えます。

中小企業経営力強化資金は審査に通過する可能性が高い

中小企業経営力強化資金は、新創業融資制度と比べて審査に通過する可能性が高いと考えられます。

なぜなら、中小企業経営力強化資金の申し込みには必ず認定支援機関の利用が必要だからです。

認定支援機関は企業の財務についてアドバイス・支援してくれる機関なので、事業の資金繰りを良くすることができます。日本政策金融公庫をはじめ、金融機関による融資審査では事業の資金繰りは非常に重要なポイントです。

日本政策金融公庫は公式に認定支援機関のサポートを推奨しています。

公庫の融資実績のある認定支援機関を利用すれば、より審査を受けやすくなるだけでなく、借り入れられる金額も大きくなるでしょう。

もちろん、新創業融資制度を申し込みする際にも認定支援機関を利用することができます。しかし、借入条件で言えば中小企業経営力強化資金の方が好条件なので、認定支援機関を利用するメリットは中小企業経営力強化資金の方が大きいと言えます。

中小企業経営力強化資金は経営の自由度が下がる

中小企業経営力強化資金は、新創業融資制度と比べて経営の自由度が低いというデメリットがあります。

中小企業経営力強化資金を利用するにあたって、2年間は年1回以上の報告書提出が義務付けられます。さらに、認定支援機関から事業に対して助言や指導を受けなければいけません。

もちろん中小企業経営力強化資金を受けても、経営を大きく制限される訳ではありませんが、少なくとも経営するにあたって窮屈に感じる部分はあるでしょう。

そのため融資を受けてから柔軟な経営をしていきたいと考えている事業主にとっては、中小企業経営力強化資金はデメリットが大きいと言えます。

まとめ:中小企業経営力強化資金の利用は総合的に判断しよう

中小企業経営力強化資金は好条件で融資が受けられる制度です。

低金利で無担保・無保証人で受けられるだけでなく、創業時にも利用できる融資制度なので、創業間もない事業者にとっては特にメリットが大きいです。

ただし、認定支援機関によるサポートを必要する上に、2年間は報告書を提出しなければならず、経営の自由度が少し下がる点に注意しなければいけません。

中小企業経営力強化資金の利用は、利用条件をはじめメリット・デメリットを総合的に判断した上で行いましょう。

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