「非常勤役員と常勤役員の違いは?」
「非常勤役員の節税効果について知りたい」

このように現在、非常勤役員の設置を考えていて、常勤役員との違いや非常勤役員を設置するメリットについて気になっていませんか?

こちらの記事では非常勤役員の概要から役員報酬の相場、3つの節税効果、そして非常勤役員をつける際の注意点まで紹介しています。

こちらの記事を読むことで、

  • 非常勤役員の役員報酬の相場が分かり、報酬額を決める際の参考にできる
  • 非常勤役員の節税効果や負担について知り、非常勤役員を設置するかどうか判断できる

ようになります。
ぜひ最後まで読み進めていってください。

非常勤役員とは?非常勤役員の定義と常勤役員との違い

非常勤役員とは、会社から要請された時など必要な時にだけ出勤する役員のことです。
一方で、会社業務の行われる日に毎日出勤する役員を常勤役員と言います。

「非常勤役員」と「常勤役員」という言葉がありますが、法令上で区別されているものではありません。
どちらも同じように役員の責任を持って業務を行う必要があります。

また、非常勤役員として選任される人は、他の会社の役員であったり、別で専業の仕事を持っていたりすることが多いです。
あるいは、小規模の企業なら社長の家族を非常勤役員にすることも多くあります。

非常勤役員を設置する主な目的は、高い経営ノウハウを持った優秀な人材を役員として係わらせることで会社の業績アップを図ることです。
家族を非常勤役員にする場合は、節税を目的としていることも多いです。

非常勤役員の役員報酬の相場は?

非常勤役員の役員報酬の相場は5〜15万円程度です。

非常勤役員の実務内容によっても異なりますが、稼働時間や責任などに対して妥当な金額にする必要があります。

あまり出社していなかったり、業務を行っていなかったりなど、働いている時間や労力が少ないのにも関わらず、月に数百万円といった過大な報酬を支払うことはできません。
役員報酬を損金として計上した時、税務署から過大な報酬額と判断されれば否認されることとなります。

また、逆に非常勤役員だからといって、ほとんど報酬を支払わないのも問題なので避けなければいけません。

非常勤役員へ支払う役員報酬に明確な基準はありませんが、業務量や責任などに対して正当な報酬額にしましょう。

非常勤役員が全く働いていない場合は給与は与えられない

上記したように、非常勤役員へ支払う役員報酬な正当な金額にする必要があります。
そのため、非常勤役員が全く働いていない場合は給与として役員報酬を支払うことはできません。

正確に言えば役員報酬を与えることは可能ですが、それが損金として認められるかどうかは税務署の判断に委ねられます。
仮に損金として認められなければ、課税所得を減らせないため法人税の節税ができなくなります。

ほかにもほとんど出社していなかったり、業務内容が経営の相談程度だと役員報酬を損金にできない可能性があるので注意が必要です。

また、働いていることにすれば良いという考え方にも注意しなければいけません。
実態のない労働に対して給与を支払うのは不当なので、非常勤役員とはいえ役員報酬を支払う以上、必ず業務が行われるようにしましょう。

非常勤役員の役員報酬も源泉徴収される?

非常勤役員の役員報酬も源泉徴収が必要です。
役員報酬の所得区分は従業員の給与と同じ「給与所得」に分類されます。

そのため会社が源泉徴収し、年末調整で所得税額の確定・納税まで行わなければいけません。
それに伴って非常勤役員は確定申告する必要がなくなります。

ただし、非常勤役員が2ヶ所以上から給与を受け取っている場合は注意が必要です。

2ヶ所以上から給与がある場合、役員報酬が「主たる給与」なのか「従たる給与」なのかで手続きが異なります。

主たる給与であれば上記で紹介したように、源泉徴収と年末調整が必要です。
一方で、役員報酬が従たる給与であれば源泉徴収は必要ですが、年末調整の対象ではなくなります。

2ヶ所以上から給与を受け取っている人は確定申告が必要です。

非常勤役員の3つの節税効果

非常勤役員を選任する目的の一つとして節税があります。
特に、配偶者などの家族を非常勤役員として選任する人の多くが節税を目的としているでしょう。

非常勤役員を選任することによる節税効果は主に以下の3つです。

  • 家族を非常勤役員にして所得税を抑える
  • 非常勤役員へ財産を移して相続税をなくす
  • 退職金を損金処理して法人税を減らす

ここからは、それぞれの節税効果について詳しく解説していきます。

家族を非常勤役員にして所得税を抑える

家族を非常勤役員にすれば、個人が支払う所得税を抑えることができます。

日本の所得税制度は累進課税なので、個人の所得が高ければ税金も高くなってしまいます。
つまり、役員報酬を経営者一人で受け取るよりも、非常勤役員の家族に役員報酬を与えて所得を分散させた方がトータル的に支払う所得税を抑えられるのです。

さらに給与所得者は年間103万円まで非課税となるため、役員報酬が月8万円程度なら家族に税金が発生することはありません。

大幅な節税ではありませんが、小規模事業者にとってはメリットのある手段と言えます。

非常勤役員へ財産を移して相続税をなくす

非常勤役員の家族へ財産を移すことで支払う税金を減らすという方法もあります。

個人の所有する財産が多い場合、仮に所有者本人が亡くなってそれを家族へ相続するとなると多額の相続税が発生します。
かといって、財産をそのまま家族へ渡すと贈与税が発生するので多額の税金を支払わなければいけません。

しかし、役員報酬という形にすれば所得税と住民税の支払いのみになります。
基本的に所得税や住民税は相続税・贈与税と比べて税率が低いので納める税金も減らすことができます。

そのため、個人の所有資産が多い方は法人を立てて家族を非常勤役員に選任することで、節税につながることになります。

退職金を損金経費処理して法人税を減らす税金控除を受ける

非常勤役員への役員退職金は損金処理することが可能です。
損金処理が認められれば課税の対象となる法人の所得が少なくなるため、特に利益が多く出ている会社にとっては節税効果が期待できます。

しかし、退職金が高額過ぎれば損金算入が認められない可能性があるため、役員への退職金は常識範囲内の金額にしましょう。

また非常勤役員が家族なら、退職金による所得税の優遇措置の恩恵を受けることもできます。

退職金は一般的な所得とは異なり、「退職所得控除」というものがあります。
勤続20年以下の場合は年40万円、勤続20年を超える場合は年70万円の所得控除を受けられるほか、退職金は控除された後の金額の半分が課税対象です。

さらに課税の対象となる退職金は給与所得と合算されないため、役員退職金を受け取る人が家族なら高い節税効果が期待できます。

非常勤役員に登記は必要?登記手続きの方法

結論から言えば、新たに非常勤役員を選任する場合には登記が必要です。

通常、株式会社の役員は「代表取締役」「取締役」「監査役」などがあります。
会社法において、これらの役員を選任・変更する場合は登記が必要となります。

一方で、すでに常勤として勤めている役員が非常勤に変更する場合は登記を行ったり、株主総会で決議を取ったりする必要はありません。
常勤か非常勤かは会社法に基づいたものではなく、定款など会社によって任意に定められるものです。

そのため、常勤・非常勤の決定において登記する必要はありませんが、常勤や非常勤に関わらず新たに役員を選任・変更する場合には登記が必要となります。

なお、役員を変更する際の手続きの流れは次の通りです。

  1. 株主総会を招集
  2. 承認決議
  3. 役員の登記
  4. 登記完了

株主総会で決議を取り、2週間以内に必要書類を登記すれば手続き完了です。

以下の記事では、会社設立にあたって登記に必要な手続きなど紹介しています。
会社設立と同時に非常勤役員の選任を考えている方は、ぜひチェックしてみてください。

非常勤役員をつける際の注意点

非常勤役員を設置することによって節税効果があるとお伝えしました。
しかし、非常勤役員には以下2つの注意点があります。

  • 社会保険料の負担が発生する
  • 勤務実態のない非常勤役員は役員報酬が認められない

ここからは、それぞれの注意点について解説していきます。

社会保険料の負担が発生する

非常勤役員をつけるにあたって、社会保険料の負担が発生する点には注意しなければいけません。

役員とはいえ、あくまでも企業の従業員の一人です。
そのため役員報酬の金額に応じて健康保険や厚生年金といった社会保険料の負担が発生します。

特に、家族を非常勤役員にする場合は注意が必要です。

非常勤役員にならずに社会保険の扶養に入れば、社会保険料の負担を抑えることも可能です。
しかし、役員になって一定の条件を超えて働いた場合は、扶養から外れて社会保険に加入しなければいけません。

具体的に言うと、社会保険に加入せず扶養に入るためには以下2つの条件を満たす必要があります。

  • 1日の所定労働時間が正社員の3/4未満
  • 1ヶ月間の出社日数が正社員の3/4未満

つまり、労働時間や出社日数を減らすことで、家族の社会保険の扶養に入ることができます。
会社や個人の負担を減らすために、働く量を抑えて社会保険料の支払いをなくすのも選択肢の一つと言えます。

勤務実態のない非常勤役員は役員報酬が認められない

先述したように、勤務実態のない非常勤役員は役員報酬が認められないので注意が必要です。

月に数万円程度の役員報酬であれば大きな問題とはなりにくいですが、役員報酬が月100万円など常識を大幅に超える場合は税務署に細かく調査される恐れがあります。
それで勤務実態がほとんどないと判断されれば、損金処理が否認されることも考えられます。

損金処理が否認されれば、社会保険料や所得税などの負担だけが増えて節税につながりません。
非常勤役員とはいえきちんと実務をこなすことと、役員報酬は常識の範囲内にとどめておくようにしましょう。

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まとめ:家族を非常勤役員にして節税しよう

この記事をまとめると、次の通りです。

  • 非常勤役員とは必要な時に出勤する役員のこと
  • 常勤役員と非常勤役員は会社法で定められているものではない
  • 非常勤役員の役員報酬は実務に適した範囲内の金額にするべき
  • 非常勤役員の設置には所得税や相続税の節税効果が期待できる
  • 新たに非常勤役員を選任する場合は登記が必要になる
  • 非常勤役員の設置には社会保険料に注意する

常勤役員と非常勤役員は法令上の区別がなく、それぞれの違いは労働時間のみです。
どちらも役員としての責務は同等なので、非常勤役員だからといって特別な業務・報酬を決める必要はありません。

ただし、非常勤役員とはいえ新しく選任・変更を行うのであれば登記が必要ですし、基本的に社会保険に加入する義務があります。

非常勤役員を設置することによる負担とメリットを考え、うまく活用して節税対策しましょう。

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