会社が「儲かっているのかどうか」ということを示す重要な決算書として損益計算書があります。

損益計算書とは、簡単に言えば売上から経費を控除して利益を求めるものですが、その中には様々な利益があり、計算が複雑です。

また、損益計算書で黒字になっていたとしても「現金が足りずに倒産してしまう」という事例もあるので、損益計算書でどのようなことを見るべきなのかについてはしっかりと理解しておく必要があります。

この記事ではplと損益計算書の違いや、損益計算書の重要性や、チェックすべきポイントについて解説します。

自社の決算書から自社の強みや弱みについて確実に理解できるようになりましょう。

PL損益計算書ってなに?PLとは利益を計算する財務諸表

PL損益計算書ってなに?PLとは利益を計算する財務諸表

損益計算書のことをP/Lと言ったりしますが、そもそもP/Lとはどのようなもので、なぜP/Lが損益計算書というのでしょうか?

損益計算書の意味や、会社に対して果たすべき役割について詳しく解説していきます。

PLとは何の略?

PLとはProfit and Loss Statementの略称です。

Profit=利益、Loss=損失、Statement=計算書という意味ですので、Profit and Loss Statement=損益計算書という言葉になります。

日本では損益計算書のことをPLと略す場合が非常に多くなっています。

銀行員などが「PLの数字があまりよくない」などと口にすることがありますが、これは「損益計算書の数字があまりよくない」と言う意味だとすぐに理解できるようにしておきましょう。

PLとは損益計算書のことで、PLと損益計算書の違いは全くありません

損益計算書の役割

損益計算書の役割とは、一定期間の会社の利益を計算するものです。

会社の全資産と全負債を計算したものが、貸借対照表である一方、一定期間の間に「いくら儲かったのか(いくら損をしたのか)」を計算するものが損益計算書になります。

基本的には「売上から費用を控除して利益を求める」という計算によって損益計算書では一定期間の損益を計算します。

なお、一定期間とは1年間の決算期のことで、例えば3月31日が決算であれば、4月1日〜翌年3月31日までの損益を損益計算書(PL)で計算します。

損益計算書の見方や書き方は?利益の計算方法を解説

損益計算書の見方や書き方は?利益の計算方法を解説

損益計算書とは、簡単に言えば売上から経費を差し引いて利益を求めるものです。

最終的に利益を求めるためには以下のプロセスを踏まなければならないという点に十分な注意をするようにしましょう。

  • 売上から原価を控除して売上総利益を計算
  • 売上総利益から経費を控除して営業利益を計算
  • 営業利益から営業外収支を加減して経常収支を計算
  • 経常利益から特別収支を加減して当期純利益を計算

損益計算書の書き方や見方を知るため、詳しい計算方法について解説していきます。

売上から原価を控除して売上総利益を計算

まずは、売上から売上原価を控除して売上総利益を計算します。

売上原価とは、製造業であれば製品の製造原価、小売業であれば販売した商品の仕入れ値です。

売上総利益は「商品の仕入れ値(原価)と売値を比較していくら稼いだのか」ということを示す利益で、損益計算書ではまずは商品力でいくら稼いだのかということを計算します。

売上総利益から経費を控除して営業利益を計算

最初に計算した売上総利益から販売費および一般管理費を控除して、営業利益を計算します。

販売費および一般管理費とは商品販売や会社経営のために必要になる経費の部分です。

家賃・光熱費・人件費・福利厚生費・接待交際費・通信費など、基本的にあらゆる費用は「販売費および一般管理費」に計上されます。

営業利益とは「会社の営業活動によって儲かった利益」を指し、ここでは本業で儲かった利益を計算しています。

営業利益から営業外収支を加減して経常収支を計算

次に、営業利益から営業外収支を加減します。

営業外収支とは営業とは無関係の収入や支出のことです。

例えば、借入金の支払利息などは営業外費用になりますし、役員などに貸付金があり、そこから発生した利息である受取利息は営業外収入になります。

これらの営業外収支を営業利益に加減して、経常利益を求めることができます。

経常利益は日常の企業活動でどの程度儲けたのかを示す損益です。

経常利益から特別損益を加減して当期純利益を計算

最後に経常利益に特別損益を加減して税引き前当期純利益を計算します。

特別損益とは通常では発生しない損益のことです。

例えば、貸していたお金が貸し倒れて損失処理した場合には、特別費損失になりますし、所有していた不動産を売却して利益が出た場合には特別利益になります。

このように、通常の営業活動では発生しない特別な損益があった場合には、経常収支に加減し、そこから税引き前当期純利益を計算することができます。

税引き前当期純利益から支払う税額を控除し、当期純利益となります。

このように、損益計算書では段階的に様々な費用を控除して、様々な利益を求め、最終的に当期純利益を計算します。

損益計算書の利益はいくつある?5つの利益の違いや意味を解説

損益計算書の利益はいくつある?5つの利益の違いや意味を解説

損益計算書から計算される利益には以下の5つの利益があります。

  • 売上総利益
  • 営業利益
  • 経常利益
  • 税引き前当期純利益
  • 当期純利益

それぞれの利益の意味や特徴について詳しく理解しておきましょう。

売上総利益

売上総利益とは、単純に「その商品によっていくら儲けたのか」ということを示す利益が売上総利益になります。

言い換えると「商品力によって、稼いだ利益」が売上総利益になります。

なお、売上総利益のことを粗利益とか荒利益ということになります。

売上総利益が高い商品ほど「売れば売るだけ儲かる商品」ということになり、逆に言えば売上高が高くても売上総利益が低ければ「売っても儲からない商品」か「薄利多売しなければならない商品」ということができるでしょう。

売上総利益は「その会社が販売している商品の商品力はどの程度か」ということを知る上で非常に重要な利益になります。

「会社が販売している商品の利益率を知りたい」というときには売上総利益を確認するようにしましょう。

また、同業他社と比較して売上総利益が低い場合には仕入コストや製造原価を下げる余地がある可能性があるので、経営改善に努めましょう。

営業利益

営業利益とは、「本業でいくら儲かったのか」を示す指標です。

商品やサービスを販売することによる企業活動においていくら儲かっているのかを示す指標ですので、営業利益が高い企業は「商品を販売すればするほど利益がどんどん拡大していく」ということであり、営業赤字になっている会社は「営業を継続すれば赤字が拡大していく」ということであるため、何らかの経営改善が求められます。

本業で儲かっているかどうかを示す重要な指標が営業利になります。

経常利益

経常利益とは、通常の企業活動の中でどの程度の利益が出ているのかということを示す利益です。

会社が借入金や社債によって資金調達することは全く珍しいことではありません。

そのため、営業外費用である支払利息などは会社にとって経常的に発生するものです。

また不動産や債権を持っている企業も、受取利息などの営業外収益は経常的に発生します。

このように、本業とは無関係でも、経常的に発生する収支を加味した利益が経常利益です。

経常利益はトータルに見て、その会社が儲かっているかどうかを示す最も重要な利益であると言えるでしょう。

税引き前当期純利益

税引き前当期純利益とは、経常利益から通常の企業活動では生じない特別損益を加味して求められる利益です。

税金が引かれる前の最終的な利益と言うことができます。

単純に「どのくらい儲かっているのか」ということを確認するための利益が税引き前当期純利益になります。

なお、当期純利益だけ黒字になっていても、営業利益や経常利益が赤字になっている企業がたまに存在します。

このケースでは本業では赤字でも、所有する財産を売却して最終的に黒字にしているだけの可能性もあるので、税引き前当期純利益だけを確認するのではなく、営業利益や経常利益も含めて総合的に企業の状態を確認することが大切になります。

当期純利益

当期純利益は税金の支払いまで控除した後の最終的な利益になります。

なお、2019年まで景気回復によって赤字企業は年々減少していると言われています。

参考:東京商工リサーチ|2019年都道府県別「赤字法人率」調査、赤字法人率66.6%、7年連続で改善

どの利益が大切?損益計算書の3つの重要ポイント

どの利益が大切?損益計算書の3つの重要ポイント

上記のように、損益計算書には様々な利益がありますが、どの利益が最も重要なのでしょうか?

損益計算書などを確認するにあたって重要な点は以下の3つのポイントです。

  • 損益計算書=現金の動きではない
  • 経常利益が会社経営では最重要
  • 銀行融資では営業利益も重要

損益計算書から確認できる3つの利益について詳しく解説していきます。

損益計算書=現金の動きではない

多くの人が間違えやすいのは、損益計算書は現金の動きではないという点です。

会計は「発生主義」という概念で行われるので、現金の動きが伴っていなくても売上や仕入などが発生した時点で計上されます。

例えば100万円の売上が売掛金で発生した場合の仕訳は以下のようになります。

借方 貸方
売掛金 100万円 売上 100万円

このように、損益は現金が動いてなくても損益計算書へ計上されます。

最も勘違いされやすいのが借入金の返済です。

借入金は負債、返済した現金は資産ですので、借入金の返済は資産と負債を交換しているだけにすぎません。

仕訳は以下のようになります。

借方 貸方
借入金 100万円(負債の減少)
支払利息 1万円(費用)
現金 101万円

このように借入金の返済は収益も費用も関係なく、支払利息だけが費用になります。

損益計算書=現金の動きではないという点をまずは理解しておきましょう。

経常利益が会社経営では最重要

会社経営においては、経常利益が最も重要になります。

前述したように、経常利益とは通常の企業活動の中で生まれる利益を示します。

企業にとっては通常の活動でいくら利益が出ているのかということが最も重要になるので、企業が自社の利益の推移や他社との比較をする上で最も重要になるのが経常利益になります。

銀行融資では営業利益も重要

銀行が融資の審査で最も重視する利益が営業利益です。

銀行は企業の事業に対して融資を行うので「本業でどの程度儲けているか」「本業でさらに改善の余地があるか」などということが最も重視されるためです。

そのため、銀行融資の審査では営業赤字になっている会社は融資を受けることが著しく難しくなってしまいますし、3期連続で営業赤字の会社は「一過性の赤字ではなく、営業を続ければ続けるほど赤字が膨らむ会社で再建不可能」と判断されてしまいます。

銀行の融資では「本業でどの程度儲かっているのか」を示す営業利益が最も重視される利益だと理解しておきましょう。

営業利益が芳しくないなら創業融資のプロのKIKに相談

「営業利益が出ていない。融資を受けるのが難しいかもしれない」と不安に感じているのであれば、創業融資のプロである株式会社KIKへ相談してみましょう。
株式会社KIKは創業融資に関する様々なノウハウを持っているので、営業赤字の会社であっても融資を受けることができる場合があります。

「融資を受けることが難しいかも」と不安に感じた時にはまず相談してみるとよいでしょう。
まずは無料で相談する 創業融資サポートの詳細はこちら

まとめ

plとは損益計算書の略称で、1決算期の売上から経費を控除して利益を求めるものです。

損益計算書から算出される利益には以下の5つがあります。

  • 売上総利益
  • 営業利益
  • 経常利益
  • 税引き前当期純利益
  • 当期純利益

それぞれの利益によって意味は大きく異なり、会社にとって最も重要なものは経常利益、銀行融資で重視されるのは営業利益になります。

それぞれの意味の違いを理解し、総合的に企業の状況を把握できるようになりましょう。

1社あたり平均融資金額1,000万円以上
年間対応件数600社以上
審査通過率99%の豊富な実績
KIKが創業期の融資をサポート

着手金なし

完全成果報酬型なので、費用が発生するのは融資成功時のみです

公認会計士が対応

融資に特化した会計士が対応しています

手間なし

書類作成も、金融機関とのやりとりもKIKが代行します

全融資制度取扱い

日本政策金融公庫、民間銀行などが取扱うすべての融資制度に対応が可能です

まずは無料で相談する

創業融資サポートの詳細はこちら

050-1705-5776

おすすめの記事